医療事務の診療報酬系の資格は「診療報酬請求事務能力認定試験」のみ目指せばよいとお伝えしました。
敵を知り己を知れば百戦危うからずということで、今回は試験の出題範囲や合格率、勉強方法などを実体験を交えてお伝えします。
この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
試験の必勝法を教えてください!
必勝法があるかはわからないけれど、すべきことなら教えられるよ
この記事で紹介する資格試験は令和7年度までの実施となりました。
受験できるチャンスは残り少ないため注意してください。
試験の概要は?
受験資格・受験科目・試験日
受験資格は問いません。
学生も社会人も子供も大人も誰でも受験できます。
私も学生時代に受験しました。
受験科目は医科と歯科がありますが、ほとんどの人は医科を受験します。
医科と歯科では基礎部分は共通しているのですが、算定できる点数や外来レセプトの様式に違いがあります。
また、学科と実技にわかれていて、あわせて3時間で解答しなければなりません。
- 学科:計20問(五者択一式のマークシート)
- 実技:診療録(カルテ)から手書き方式で診療報酬明細書(レセプト)を作成する
- 実技は入院と外来1件ずつ
学科、実技それぞれの合格ラインを得点する必要があります。
仮にどちらかが満点でも、もう一方が基準を超えていないと合格できない仕組みです。
実際にレセプトを作成するんですね
そうそう。だからしっかり対策しないと合格できないんだ
カルテを読んで手書きでレセプトを作成できる人はなかなかいません。
(薬剤料の手計算できませんという人は実のところけっこう多いです)
実際の現場では、コンピュータが点数計算とレセプト作成をするからです。
作成されたレセプトを人が点検して不備があれば修正しています。
間違い探しみたいなイメージですね。
病院によってはレセプト点検ソフトを導入しているところもあります。
ただ、完璧ではないので人による点検は必須です。
そのため、カルテをもとにレセプトを作成するという大前提を忘れがちです。
この試験でその基礎をしっかり叩き込んでください!
また、試験日時は年2回(7月、12月)の日曜日または祝日です。
・受験は誰でもできる
・学科と実技があり、それぞれに合格ラインがある
・試験日は7月と12月
試験会場
試験会場は全国17か所です。
都合の良い場所を選んでください。
受験料と申込方法
受験料は9,000円(税込)です。
以前は7,500円でしたが、いつの間にか値上がりしてますね。
公式サイトから受験申し込みができます。
出題範囲
診療報酬請求事務能力認定試験ガイドラインが出題範囲です。
- 医療保険制度
- 公費負担医療制度
- 保険医療機関等
- 療養担当規則等
- 診療報酬等
- 薬価基準・材料価格基準
- 診療報酬請求事務
- 医療用語
- 医学の基礎知識
- 薬学の基礎知識
- 医療関連法規
- 介護保険制度
わー。出題範囲広いですね
全部を暗記する必要はないよ。
持ち込んだ資料を確実に使いこなせれば大丈夫。
第58回試験より
問. 次の文章のうち正しいものはどれですか。
1. 診断穿刺・検体採取料のその他の検体採取の「6 鼻腔・咽頭拭い液採取」について、同日に複数検体の検査を行った場合、検査の検体ごとに当該検査の所定点数を算定できる。
2. 肝及び腎のクリアランステストについて、当該検査に伴って行った注射、採血及び検体測定の費用は、当該検査の所定点数に含まれ別に算定できない。
3. 診断穿刺・検体採取料のセンチネルリンパ節生検に伴う放射性同位元素の薬剤料は、検査の薬剤として算定できる。
4. ポジトロン断層撮影と同時に同一の機器を用いてCT撮影を行った場合は、それぞれの所定点数を算定できる。
a. 1,2
b. 2,3
c. 1,3,4
d. 1~4のすべて
e. 4のみ
正解はbです。
難しそうに見えますが、答えはすべて診療報酬の点数本に載っています。
覚えている知識の出題だったらラッキー、覚えていなくても持ち込み資料を調べて答えを探します。
これだったらこの辺に載ってるということがすぐに思い浮かべば勝ちです。
合格率
合格率はだいたい30%前後です。
なかなか低いですね。
でもあまり気にしなくてもよいです。
この数字にあまり意味はないと考えています。
なぜなら、この合格率はあくまで今まで受験した人の数字だからです。
自分が合格すれば、自分の合格率は100%です。
(ちょっとへりくつですかね)
自分の合格率はこれからの行動でいくらでも上げられます。
良い参考書で勉強し、万全な対策を取れば合格率は100%に近づけられます。
合格率を見たら不安になってきました
不安にならないで。勉強をしっかりすれば関係ないよ。
勉強方法は?
私が実践した方法
さて、試験についてざっくり把握したところで、私の勉強法をお伝えします。
まず、いきなり過去問に取り掛かるのはおすすめしません。
最初は診療報酬の基礎から固めていくのが良いです。
私は大学で1年半以上かけてじっくり学びました。
ただ、大学ではこの試験対策だけでなく他にもカリキュラムがあったため、実質そこまでの時間はかかっていません。
はじめの一歩に使用したもの(学校で強制的に買わされたもの)はソラストさんの「医療事務講座テキスト」です。
私が使っていたものとデザインがかなり変わっていました。
1ページに対してそこまで情報量が多くないため、初心者にもわかりやすかったです。
要所要所に確認問題があって、インプット後すぐアウトプットできます。
就職してからも新人教育の際に重宝していました。
2023年12月25日でソラストさんの医療事務講座はなくなりました。
現在は教材のみ販売しています。
ソラストさんのテキストは良質なので、ぜひ活用してみてください。
基礎を固めたら次は過去問に取り組み始めました。
何冊かテキストはありますが、私は医学通信社さんの「受験対策と予想問題集」がおすすめです。
ひたすら問題を解きつつ、持ち込み資料を使いやすいように手を加えていきました。
そして、このテキストの真骨頂は別冊付録にあります。
この付録は「レセプト作成マニュアル集」というものなのですが、これが恐ろしく優秀です。
勉強方法:基礎をしっかり固めたら、ひたすら問題を解くこと
芸がある勉強方法ではないけど、確実にいくのが一番の近道だよ
独学で合格できるかは人による
医療事務の講座を受講しようとすると、けっこうなお金がかかります。
できれば独学でいけないかと思われるでしょう。
結論からお伝えすると、それはもう人によります。
……身も蓋もないですね。
すでに実務経験者で基礎が固まっている人は独学でも問題ないと思います。
未経験者でもいけなくはないと思いますが、知識が自分のものになるまでのハードルが高いかもしれません。
テキストを購入してみて、無理そうなら医療事務講座の受講を検討するのもアリです。
まとめ:まずは診療報酬の基礎を固める
今回は診療報酬請求事務能力認定試験のざっくりした概要と、勉強方法についてお伝えしました。
勉強方法は次の3ステップがおすすめです。
けっして簡単な試験ではありませんが、きちんと勉強をすれば合格できるはずです。
まずは基礎部分をしっかり勉強するぞ~!
がんばろうね
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
たくさん勉強して質・価値の高い医療事務になりましょう!